2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

建築道(みち)13・・建築士試験は過酷

彼が勤めた唯一の会社、全国展開住宅会社には感謝している。そこで社会人というものを知り、建築や法律を学び、資格を取ることが出来た。しかし「根っこのところが自分と違う」という違和感を7年間持ち続けた。配属支店は24人の先鋭のスタッフで年間100棟も…

建築道(みち)12・・急展開

就職活動時期、彼の悩みは「whereどこ?」と「what何?」だった。その後「what何?」は住まいの設計者の道と決めた。しかし「whereどこ?」は大雪で東京に行きたくなくなってしまった事件以来進展がない。それは会社決定時も同じだった。決められなかったの…

建築道(みち)11・・ガンジス川の沐浴修行者

大雪の中での卒業論文・設計発表会を終え、2つ上のサークル先輩と出席した日本武道館での卒業式が終わると、級友たちは1人また1人と全国に羽ばたいて行った。大学に副手として残った彼はそれを見送る。同級生を送るたびに4年間の出来事が脳裏をかすめた。 昨…

建築道(みち)10 ・・大雪の決断!

よくジョンレノンの亡くなった日の事が話題になる。同世代にとってジョンの死はそれくらい大きな出来事だった。しかし彼は覚えていない。ジョンが亡くなった初冬、彼に大変なことが次々起こった。それは準備不足のまま社会に出ることになり、この4年間堰き止…

建築道(みち)9・・進路の迷路

4学年は卒業研究だけでなく進路をどうするか?の大事な問題がある。「今をどう生きるかが大事」などと言っている彼はいたってのんびりしていた。それは友人Kくんの影響もあったかもしれない。3学年から就活が始まる今の大学生からすると信じがたい状況だ。し…

建築道(みち)8・・卒業研究

ボランティアサークルでの様々な活動、設計製図との戦い、苦悩の構造演習、実験レポートなど様々なレポートの山、春夏休みのバイト、合宿で北へ西へ南へのテント担いでのバックパッカー、秋の終りの文化祭、演劇部の助っ人出演etc.・・・彼はそんな生活がズ…

建築道(みち)7 ・・必須教科と選択教科

授業には必須と選択教科がある。必須教科は必ず単位を取らないと卒業できない。選択教科はその単位を取らなくても、別のいくつかの教科である程度単位を取れば卒業できる。彼は親が高齢という事もあり留年だけは避けねばならなかった。そこで1・2・3学年で出…

建築道(みち)6・・設計製図での退場!

設計製図は各学年受講の必修科目で1から4まである。設計製図1と2を同時に受講は出来ないシステムで、一つでも落とすと留年が確定する。そのため設計製図課題は手が抜けず、提出期限が近づくと学生間にある種の緊張感が漂った。他の授業の合間にも課題の考え…

建築道(みち)5・・設計製図とロッキー

入学当初、最初の設計製図課題「レタリング」は散々だった。レタリングは文字を美しく書く課題で、アルファベット、数字、ひらがな、カタカナ、漢字を図面一面に書くというもの。苦手な部分なので彼は慎重に課題を仕上げた。評定はABCDEの5段階でC丸だった。…