2024-01-01から1年間の記事一覧

建築道(みち)31 ・・設計コンペでの贈り物

もう少しで21世紀を迎えようとしていた頃、この国ではバブル崩壊真っ只中にあり、都市銀行住宅ローン変動金利が1990年8.5%に上昇、その5年後には2.625%と急降下した。その間には、「ちびまる子ちゃん」のTV放送が開始され、宮沢りえ写真集が出版され、きん…

建築道(みち)30 ・・イタリーの衝撃

その昔、都市国家が乱立していたイタリア、行く先々の街が違う顔で、特に小さな街は個性的表情が際立つ。彼は夢中でカメラのシャッターを切り続けた。 バスは花の都フェレンツィから90km程のピサを廻り、シエナに向かう。 ピサは大聖堂で揺れるシャンデリア…

建築道(みち)29 ・・イタリーにランバダがこだまする

彼が持って行った革製大型旅行鞄はショルダー型のスーツ・ジャケットも入れられる優れもの。英国製メーカー品で物も良く格好も良い。しかし重く大きく邪魔になる。その鞄は自分で持つという前提にない、重すぎる。彼の家では、それは「使えない」や「無駄」…

建築道(みち)28 ・・ベルリンの壁崩壊80日後のイタリーへ

日本のバブル崩壊寸前1989年11月、欧州では突然に東西ドイツを遮断していたベルリンの壁が崩壊した。それは第2世界大戦後の東西冷戦の象徴。それにより欧州を分断していた鉄のカーテンがほころび、その後一気に消え去ることになる。壁崩壊直後に彼は前職場の…

建築道(みち)27 ・・飲み会

独立2年目。 転勤、退社、独立で幼稚園を3回入園した長女も春から小学生!になる。今後の引っ越しの可能性を考えて、市内全域が学区の小学校に入学した。親はもう転校はさせたくなくなかった・・というのも一家は自宅建築を目指していたのだ。しかし独立直後…

建築道(みち)26 ・・講習会質問騒動

自宅マンションの一角で設計事務所を開業、一級建築士事務所登録は4月後半だった。それまで会社で何十人に会っていたのが突然、家族だけとなり「社会から忘れられてしまうのでは?」と疎外感を感じた。そんなこともあり、始めのうちはネクタイ姿で仕事をして…