50年目のプレゼント

 今となっては10年以上も前になろうか、困ったCMが流れていた。たしか「結婚10年目に10個のダイヤモンドの指輪を・・」というものだった。もしかしたらネックレスだったかも知れない。
それまで何にもしなかった私は、そのCMが流れるたびに、肩身の狭い思いをしたものだ。旦那は何ももらえないの?・・などと言いながら。
きっと、そんな思いをしたのは自分だけでなく、多くの男共が同じ思いをしたに違いない。実に迷惑なCMだった。
 
 それが影響したかは不明だが、、30回目の時に、なんと京都旅行を企画した。それも出発6時間前に決めた、夜中高速を走るという3泊3日の旅。隣で女房殿が不満げだったのが少々気になったが、なんと自分達らしい企画!と思いながらの運転は充実し、素敵な旅であった。あれからちょうど2年がたった。
 
 しかし、上には上がいるものです。現在工事中のクライアントは結婚50年目に奥様に「家を贈る」と言うのです。これはとんでもない事です。クライアント曰く「いままで苦労をかけてきたので、奥様の気にいった家を建てたい」と。それは夫妻二人で住む家。そして隣接して娘さん夫妻の住まいがあります。
 
 どれだけ苦労をかけてきたのでしょう? そんなに僕は苦労をかけてないなどと思ってみます。きっと想像を絶する苦労をかけたに違いない・・・などと。
それは夫妻にとっては3棟目の住宅であり、現在の住まいも持ち家です。
これは、なかなか真似できない。ものすごい方だなぁー!と思いました。
 
 不覚にもその話を女房殿に話してしまった。彼女は「私は何をもらえるかしら・・・」などと言っています。50年目に家を贈ることは、できそうもないので、今度は自転車で行く京都の旅を企画しようかなどと考えています。
 
 世の中にはすごい人がいるんです。世のご婦人方、ぜひこの話を旦那様にしてみてはどうでしょう。
素敵なプレゼントが舞い降りるかも知れません。
 
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