悔い改め

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 落水荘は20世紀でもっとも有名な住宅のひとつ。
計画時にF.L.ライトはクライアントが「計画案をこれから見に行く」との催促電話後に書き始め、到着時に計画図を書き終えたという。
しかしその逸話は眉唾物と思う。彼の建築はもっと計算されたもの。
きっと、その打ち合わせにもである・・・。


 設計者を含む多くのデザイナーはクライアントとの打ち合わせに、またその準備に最大限のエネルギーを使う。
イメージしたデザインが形になるかどうかの瀬戸際、0か100である。クライアントが納得しないと始まらない。
これはデザイナーの宿命であり、プレゼンテーション能力がデザイン力の大きな一つとも思う。

 一方「クライアントらしい、敷地や地域らしい建築」を目指す、野武士建築家。

 クライアントから嗜好や考え方を学び、それを空間化することが良い建築の道と考える。
そのため計画時から竣工までの数々の打ち合わせが最優先・最重要。
特に住まい創りにおいては、クライアント家族を研究することが、設計者の務めと思っている。

 「良い建築は図面でなく打ち合わせにあり」である。
そのためクライアントとの打ち合わせは真剣勝負となる。

 しかし恥ずかしながら、その打ち合わせ日時をまったく忘れてしまったという、忘れられない出来事がある。

独立後20年間に2度。

 一度は催促の電話により判明。その後すぐ出発、2時間半後に到着・・3時間経過して実施させて頂く。現場が遠距離だった。
 もう一度は、夜入浴時に午後一番の打ち合わせを思い出し、大慌て。洗うことなく浴室を飛び出し、謝りに行く。夜中に謝りに来られ、クライアントは輪をかけて迷惑な事となった。

 これらは僕にとっては絶対あってはならないことであり、苦い思い出である。

 ところがである。

 本日、同じような過ちをおかしてしまった。

 間違えて4時間も早くクライアント自宅訪問。
またまた迷惑な話となってしまった。

 この場をかりてお詫び申します。

 まだまだ半人前と反省の一日となり、いまだ胸の鼓動激しく。
悔い改めたく思います。

 写真は「落水荘」。