屈原と東京の空

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 朝に弱い。

 家族には低血圧のためと話していた・・が、何年か前に家神より血圧が高いことが判明、血圧のためとは言えなくなった。

 そんな僕が・・昨日、朝一番の新幹線で東京に行く。
前日、現場で22:30までの打ち合わせとなったこともあり、5:30起床予定に就寝時には少々興奮ぎみ。
最近そんな時間に起きた事がなく、この季節その時間は明るくなってるかどうか興味深深。

 しかし起床時は太陽は待ってはおらず、かわりに強風の中で雪が舞っていた。

 「よりによって・・・」と思いながら極寒・強風の空の下、新幹線に乗り込む。

 その日の福島と東京の温度差は5度。おまけに東京は雲ひとつない青空だった。僕にとっては南国と思いつつ六本木・新国立美術館横山大観展に向かう。

 展覧会は混雑を予想したが、早朝のため到着直後は人の多さはさほどでもなく、早起きが幸を生じた。

 入場すると正面に「屈原・くつげん」が展示。
この作品を新聞で見、「屈原」を慕ってやって来た。

 その凛とした風に向かう態度に惹かれ、今後の道標となるのではと思ったからだ。
思えば今日福島出発時もそんな天気だったじゃないか・・などとも思う。

 作品は想像以上に素晴しい。

 こんな人物になりたいもの。ここに将来の夢がある。理想だぁ!。

 少し手が小さく描かれていることが少々気になったのだが、そこは巨匠。僕の分からない意図があるのだろう・・などと思いながら、係員に嫌がられるくらい深く鑑賞。

 そうこうしてる間に会場は超満員となる。
まあ、どこにこんなに人がいるのかというほど。すし詰め状態となる。

 しかし、一通り作品を見学、最後に再び「屈原」を見、再び感動。さすがに本物は違う。

 その後、資料として売られている本を覗く、と・・解説には・・驚くべきことが・・

 ・・屈原・・ 
 紀元前3世紀の中国の春秋戦国時代の詩人。楚国の政治家。
楚の名門の家系出身で楚の王に仕えていたが、周囲に妬まれ、王から遠ざけられ、晩年は秦により楚がほろぼされ、楚の将来に絶望して自殺・・という感じのことが・・。

 えっ!! 自殺?。。

 だいぶイメージと違う。理想の姿だったはずでは・・・。


 大観展を後に青空のもと歩いていると、エレファント カシマシの『東京の空』の歌詞が浮かぶ。


 ああ 街の空晴れて 

 ああ 人の心晴れず・・・



 横山大観展3月3日までです。よろしかったら・・・。