人間の森

本に目をやると、「地球の歩き方」にこう書いてあった。
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インド。それは人間の森。木に触れないで森をぬけることができないように、人に出会わずにインドを旅することはできない。インドにはこういう喩えがある。

深い森を歩く人がいるとしよう。そのひとが、木々のざわめきを、小鳥の語らいを心楽しく聞き、まわりの自然に溶け込んだように自由に歩き回れば、そこで幸福な1日を過ごすだろう。だがその人が、たとえば毒蛇に出会うことばかりを恐れ、歩きながらも不安と憎しみの気持ちをまわりにふりまけば、それが蛇を刺激して呼び寄せる結果になり、まさに恐れていたように毒蛇に噛まれることになる。

インドは”神々と信仰の国”だという。また、”貧困の国”だともいう。だが、そこが天国だとすれば、ボクたちのいるここは地獄なのだろうか?そこを地獄と呼ぶならば、ここが天国なのだろうか?インドを旅するキミが観るのは、天国だろうか地獄だろうか?さあ、いま旅立ちのとき。インドはキミに呼びかけている。

「さあ、いらしゃい!わたしは実は、あなたなのだ」
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名文だぁ。
 
インドに行った人からは「下痢で入院の病院が一番居心地が良かった」や、「列車で睡眠薬を飲まされ身包みはがされ、大使館に逃げ込んだ」や、「狂犬病が危ない」などいろいろ聞く。
それでも、旅にでたいと思った。