こんな5月の良き天気の日には、こんな木造カーポートはいかがでしょう?
海秀の書・・建築プロジェクト名編 その3 建築の成り立ち
海秀こと遠藤悦子の書、3回目。
夫婦と猫と住まう家・・・
「5匹の猫との家」は「猫」の絵に執着した書になり、草冠が耳と尻尾に進化した。
息子さんがキャリアウーマンのお嫁さんと2人の娘さんを連れ、出向から戻って来る。初めての同居のための家づくり。家の形を模した「家」となり、家の中での孫娘さんの笑顔をイメージする。
初夏に蛍が出現する小川がアプローチの家。「蛍」は自然の中で遊ぶ様、「家」は屋根形状を模し、屋内で遊ぶ様をイメージする。
アクティブな家族を包む「土間の家」。お父さんのトライアスロンの自転車、及び、家とセットで導入した電気自動車の車輪のイメージが「間」となる。「家」は形状とお母さんのやさしさを表す。
25年前住宅を設計し、2度目の設計依頼は美容室建築計画。市内3店舗目のお店は初めての新築計画。クライアントは「美容の仕事の集大成を造りたい!」と言う。おのずと建築にも書にも力が入る。「+℃」は髪型を意識した書。建物は書の東洋的雰囲気ではなく、ユニオンジャックをイメージしたものになる。
初めての同居に御両親が用意した土地は、東と南道路を持つ日当たりのよい土地。陽あたりだけでなく、風通しの良い清々しい家を目指す。「家」は風の流を意識した書とし、人が集まり楽しむ様を「世帯」の文字に込めた。
「海秀の書・・建築プロジェクト名編」はひとまず最後となります。御清読ありがとうございました。
海秀の書・・建築プロジェクト名編 その2 表札に遊ぶ
海秀こと遠藤悦子の書。2回目は「表札に遊ぶ」です。
自分たちらしい個性的な表札としたい!との依頼あり。
いろいろと検討し・・・家族みんなで文字を書くことにしました。
「福」の字の「田」部分に、家族4人それぞれの好きな形を入れてもらいました。
ちなみに、「田」以外の部分は建物をイメージしてます。・・・英字新聞も海秀のこだわり・・・
いろんな「福井」ができました。
この中から1つ選び欅板に彫ってもらい完成した表札が・・・こちらです。
家族の表札と共に思い出もつくることができました!
海秀の書・・建築プロジェクト名編 その1
海秀こと遠藤悦子の書。書に建築への思いを込めた建築プロジェクト名の題字です。
提灯祭りの提灯をイメージした「街」。
建物の形を模した「船」。
音楽イベントの主宰もする施主。音楽と集いの楽しさを表した「集」と「楽」。
屋根の形を模した「家」。
仏具専門店の思いを「ば」に込める。
旦那さんからのプレゼント!の家は「夫婦」の50年間と屋根を模した「家」をイメージする。
・・・つづく
カズオ・イシグロを探して
ものごころ付く頃にテレビがやってきた。そこに流れる漫画の虜になる。野山を駆けまわり、夕方テレビで漫画を見、夜漫画を読む生活が続いた。思春期になると漫画ばかりでは格好がつかず、少し本を読むようになる。しかし建築を志すと一変し、専門書しか読まなくなり建築一色になる。いわゆる漫画育ちの建築馬鹿だ。たまに読むのは歴史物くらいで「彼らがどう生きたか」を求めた。そんなこんなで40代に入った頃にやっと小説を読みだしたほどだ。読みだしたと言っても寝る前の30分位なのだが・・・。
そんな身で大胆にもどうしてイシグロ文学に飛び込んだのか、それは昔からスピーチに弱い側面があるからだ。バラク・オバマのYes We Can!や広島スピーチはいつでも全文を読めるようにしてあり、ケネディーやキング牧師も熱い。どうも感動癖があるようだ。今回もそう。彼のノーベル賞受賞スピーチを読み、アッという間に虜になってしまった。・・ちなみに昨日の「イチロウへのディー・ゴードン内野手の新聞広告」にも感動!した…。
8冊の小説の舞台はそれぞれ。日本が2、上海が1、イギリスが2、東欧が1、そして短編集が1冊で、それぞれが面白く興味深い。中でも驚かされたのは「充たされざる者」。世界的ピアニストが東欧のとある町に訪れて・・と言う内容だ。たった4日間?の出来事が938ページに渡る。4日間?としたのは、読み終えた時、もはや日にちなどは分からない状態になったからだ。なにせ938ページだ。「充たされざる者」とは読者(自分)ではないか・・と感じる。モヤモヤした気持ちで翻訳者のあとがきを読めど、充たされる事はなかった。恐るべきイシグロ文学なのだ。もしこの作品を読まれる方がいれば、8冊のうち始めと終わりは外した方が良い。他7冊作品のうち最新作と、イギリスのブッカー賞受賞作、そしてノーベル賞受賞作の3作が特に惹かれた。
読破3か月が過ぎ、いまだイシグロ・ロスから抜け出せないでいる・・・。そしてまた今夜、戦中戦後の日本が舞台の「浮世の画家」がテレビで放映される。もちろん録画予約をした。