凡才の戦い

 モーツァルトよりベートーベンが好きです。
 
 振り返えると、建築設計を志し、早37年。初めは関心も薄かったのだが、良くここまでやって来たと思います。
 健康診断で、昨年お腹を引っ込めてウェスト測定の結果、今年は4cm増えた。その事を問題視されても、たとえコレステロール中性脂肪、尿酸値が高く、貴方はメタボリック予備軍該当者などと言われても、しょうがない。椅子に座りプランと格闘、パソコンに日々戦いを挑み続けているのだ。37年もの間、健康的とは言いがたい生活を続け、ある意味当然の成り行きであり、男の勲章ではないか。
 
 30年以上建築設計のプロとしてやってきて、最近「もしかすると天才じゃないかもしれない」と、ふと思ってしまった。自分の才能が見えてきたような・・・。湧き出るようにアイディアが浮かんでこない。ペンが止まり何日も苦悩する。たとえパソコンで書こうが図面は修正を繰り返し進まない。自信作の計画が、気がつくと昔造ったものに似ていたりする。自分の限界が見え隠れするような・・。いやいやそんなはずはない・・はずだ。
 
 仮にです。たとえば天才が1万人に1人であるとしましょう。そうすると残りの9,999人は凡才です。1人の天才の生き様を真似ようとしても、9,999人には無理なのです。それは参考にならないと言っても良いかもしれません。もし無理に真似ようとしても破綻するでしょう。相手は天才です。
 しかし、一人の凡人がいかに苦悩して、何十年もやってきたかは残りの9,999人の参考になるはずです。その生き様の方がズーと魅力的だしカッコいい。それはやりがいもあります。これこそ男の誉れ、よーし、胸を張れ!でも、きっと天才のはずだぁ!・・・などと自分に活をいれながら、またパソコンに戦いを挑む。
 
 年末に、こんな事を考えているのは、あきらかに、仕事からの逃避だと思います。
 
追伸 最近ヒゲをはやしました。
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